†重†

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  ―“セフィロトの力を宿す故に、お前は此処に封じられておった。”― それが、 何も無い世界に たった一人で置かれていた理由。 目の前の“兄”が 見付けてくれなくては 永遠に一人であった存在。 見つけ出してくれた後も 封じられていた部屋、 “生命の間”からは 時折しか、 連れ出す事が許されない 管理された日々の中、 兄は毎日、訪れて 様々な知識を与えてくれていた。 そんな二人だけの会話に ―“兄君”―           セカイ ある時、入る―新たな声。 封印の影響で成長の遅い少年、 ―リデア―よりも早く、 青年に成長している “リデアの弟” 創世の神の三番目の子供。 “全てを護る者” “永遠なる守護の魂の主” リデアの封印を護り その後も管理し続ける弟。 ―“せらふ”― 教えられた名前を拙く口にし、 あどけなく微笑むリデア。 黄金の髪に深い蒼水晶の瞳。 直ぐ上の兄である筈のリデアに 常に冷たく無関心に接する 精悍な面の弟を見詰めた、 瞬間― ――――― 「ロアッ!!」 「―ッ!!…あ……ち…“父上”」 ロアは、 黄金の髪に深い蒼水晶の瞳。 夢の中の相手と同じ、 精悍な面の父“聖主”に 揺り起こされた。  
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