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聖主の問い詰めに、
直ぐには
ホンシン
答えられなかった理由を
クロアの指輪を填めた
右手を抱き締め、
心から
真摯に告げるロアの言葉。
他の者の為ならば
自らを犠牲にする事も
-ロア-
迷わず厭わなかった昔の息子。
あの頃は、
怯えた表情を
精一杯の笑顔に変えて、
犠牲になる事を望んでいた。
「ロア。」
その筈が、
今ではたった一人の恋人の為に
自分を犠牲に出来ないと
考えるほど変わった息子の姿に
「その気持ちを忘れずにいなさい。」
聖主は
父親としての願いを込めて、
我が子に微笑み、そう伝えた。
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