†重†

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  “次期聖主” 神族の次期長。 聖界の次代を治める者としての ロアの存在。 その重要性を思い、鑑みれば、 今回の事を切っ掛けに 聖司官の任を辞任し、 時代交代の時まで 現聖主の元、 聖域に 留まり続けるのではないかと 誰もが考えてしまうのは、 仕方のない事。 ロアの容態を心配すると同時に 暗に重ねて復帰を訊ねている 高官達の問い掛けに、 ―“順調に回復されております。御安心を…。”― “聖司補佐官”ではなく、 “次期聖主側近”として答え、 復帰の意が有る事を示した クロア。 ロアにとっての神殿、 聖司官の任の大切さ、 必要性を知っている クロアだからこそ、 明言できるロアの聖司官復帰。 何気無く脚を止めた 神殿の廊下。 そこから見える、 神殿の中庭。 クロアの中で蘇る、 記憶を喪う前のロアの姿。 常に 何事にも無関心で淡々とし 冷たく酷薄な態度で、 冷酷、冷淡な“白月の麗人”と 字されていたが その内面は 表に出さない慈悲深さに       ロア 満ちていた“主”  
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