†重†

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  ――中央組織、熾天使長執務室。 基本的に1日の公務が終了する 夕刻の熾天使長執務室内。 セキルは、 今朝、ディフェルに示された 書類を含む、 その日、1日の自分の仕事を 一人、残って片付けていた。 持ち帰れるモノと 持ち帰れないモノを分け、 残業をして居ると、 「また、残業を与えられたか?」 短いノックの音と共に 姿を現すミレア。 組織の関係から滅多に 他の組織を訪ねない、 “元老院長、最老” 現聖主の兄であり ロアとセキルの叔父である ミレアの突然の訪問に、 「何か御用ですか?“叔父上”」 作業の手を休める事なく、 互いの立場ではなく身内として セキルは訪問の理由を 問い掛けた。 「次期の様子を訊きに来た。」 ロアが記憶を喪った日から、 未だに一度も 聖域、ロアの元へ 様子を窺いに行っていない ミレア。 「随分と回復されています。」 セキルは ミレアの方を見ることなく 簡単にロアの様子を応える。  
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