†重†

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  「“順調”と言う事か?」 詳しい確認の一言。 「まぁ…、ほどほどに…。」 ここ数日、 記憶の回復が滞り始めた事を セキルは簡素に告げ、 「叔父上もそろそろ、兄上の元へ行かれてみては如何ですか?」 ミレアへロアの元へ向かう事を 提案する。 「私が行ったところで、アレを怯えさせるだけだ。」 最初の日にセキルだけではなく ミレアの姿に対しても 怯えていたロア。 「確かにそうですが…。」 ミレアとロアの間に 何があったのか、 粗方の事情を知っている セキルは、 ミレアの言葉を あっさりと認め、 「今の兄上の様子ならば、大丈夫だと思いますよ。」 ロアの記憶の状態を考え、 助言に留まる。 「お前とクロアにディフェル達が居れば、十分であろう。」 飽くまでも、 ロアの元へ向かう気が無い事を セキルに告げ、 そのまま、本当に ロアの様子を訊いただけで 熾天使長執務室を 退出しようとするミレア。  
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