†重†

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  ふうわりと―       ゆらり― ゆらゆら―       揺れる記憶。 触れる、 暖かな信頼の温もり。 感じる、 強く頼れる力強い腕。 大切で 泣き出したくなるほど大切で 胸の奥がざわめく幸福。 「“――”」      『“クロア”』 ほころぶ―笑顔。 無意識に零れた“最愛の名前” 「“ロア?”」      『“―――”』 返る“最愛の言葉” 真綿の優しさに満ちた夢。 それが、 誰の夢なのか。 何の記憶なのか。 何も分からないまま、 その日、 白月の麗人は 幸福な夢に包まれ眠る。  
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