†失†

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  だが、 “次期聖主”“聖司官” “セフィロトの苗木” 自分自身の立場、地位、役目は 何も思い出せていない、 それらを思い出す切っ掛けも 今は持てないロアに、 クロアは…、 「“神殿”の…俺の仕事を手伝ってみないか?」 「え…?」 “聖司官”の 記憶を取り戻す切っ掛けに なるかもしれない提案を ロアに切り出した。 「“神殿”は…大兄君の管理で…。」 聖司官の言葉が出ず、 今はロアの代理を務めている レティスの事で神殿の組織内を 理解しているロア。 「レティス様には俺から説明しておく。」 「だが“聖司補佐官”の仕事は神殿…の…ッ…神殿…のッ…重要事項に関わるモノで…。」 “神殿筆頭” 聖司官を表す言葉になると 声が詰まり、 拒絶意識が顕になるロアの様子。 「なら、俺の隣で書類の誤字等を確認してくれるだけで良い。」 「機密が…。」 「ロアなら秘匿義務を守れるだろう。レティス様からの許可もきちんと頂く。」 聖司官に関わる事を 頑なに拒もうとするロアを クロアも粘り強く説得し、 翌日から、 ロアは、 “神殿筆頭、聖司官”の 書類に目を通す事となった。  
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