†失†

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  ロアを抱いたままのセキルと セキルの前を塞ぐフィリル。 聖央塔へ向かう途中の廻廊での 不穏なやり取り。 聖主は 終始、淡々としているセキル、 聖主の登場に緊張を顕にする フィリル、 怯えた様子でいるロアと それぞれの表情を無言で見詰め、 「フィリル、お前は神殿へ、クロアを呼びに行け。」 「ッ!!」 フィリルに 神殿にいるクロアを 呼び寄せる命を下した。 “聖主の命” 聖界に住まう者達には 絶対的なそれを受けてしまえば、 従うしかない状況。 そうして、 フィリルがクロアを呼ぶために その場を離れると、 セキル、ロア、聖主となった 状況で、 「お前がロアに教えるか?」 「私しか居ないでしょう?」 「父ッ……。」 セキルの目的の確認だけを 聖主は一言で済ませると、 「ぁ……“聖―”…。」 父を見詰め、 愕然と上がるロアの絶望の声。 【セフィロトの苗木】を 眠らせ封印する場。 聖央塔地下 “生命の間”へ向かうセキルに、 廻廊の先を開ける “聖主”だった。  
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