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「ッ!!ぁ…」
背中を床に打ち付ける衝動で
思わず眼を開けてしまうロア。
その視界に映るセキルの姿と、
乳白色の光に満ちた世界。
瞬間
意識の中に流れ込む、
「此所が兄上を…」
セキルの声と、
―『セフィロトの苗木のお前を…』―
遠い記憶の中の父の声。
眼前に拡がる、
―『ちちうえ……いたい…』―
泣いている幼い自分と父の、
―『後、少しだけ頑張りなさい』―
優しい声と頭を撫でる大きな掌。
初めて
【セフィロトの苗木】の力が
目覚めた、五つの年。
気付いた時には
この生命の間で、
力を封印している途中だった。
まだ、幼い体には
強すぎる影響を与える力。
それを肉体を器にして
力を納める封印の負担で
全身に生じる痛みと発熱と
目眩と息苦しさ。
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