†悲†

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  「お前は何を考えているッ!!」 生命の間から出た後、 セキルの私室に響く ディフェルの怒号。 生命の間での出来事から 自室での謹慎を 聖主に言い渡されたセキルと セキルを引き連れ部屋まで来た ディフェル。 「兄上の事だけです」 激昂するディフェルに 胸倉を掴まれ、 厳しく、 真意を問い詰められながらも 淡々と応えるセキルの答え。 「あれが次期の為だとッ!?」 生命の間で ディフェルが見たロア。 何の反応もなく、 ただ、虚空を見詰め、 端から見ただけも心が壊れたと 判ってしまう虚無な姿。 とてもロアの為などとは 思えないそれに募る ディフェルの怒り。 「兄上を次期聖主とする為に必要な事です」 そんなディフェルには構わず 更に告げる冷静な一言。 ロアを “次期聖主”とする為と 告げる言葉に、 「巫山戯るなッ!!」 ディフェルの耐えきれない 怒りが爆発した時、 「巫山戯てなど居ませんッ!!」 それまで冷静だった セキルの叫びが上がった。  
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