†悲†

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  生命の間で躊躇う事なく セキルに剣を向けたクロアと 庇ったディフェル。 セキルに組敷かれ 虚ろに壊れたロアの姿。 それを 目の当たりにしてしまえば ロアに仕える側近としても、 仕方がなかったと言える クロアの行動と激昂。 故に、 セキルに剣を向けた事を認め 許すディフェルと 自分の剣からセキルを庇い 護ってくれた事に感謝する クロア。 「では、失礼致します」 「あぁ…」 後は 特に言葉を交わそうとはせず 先にクロアが ディフェルの前から立ち去り、 一人、残されたディフェルは クロアの言った思い出の部屋と 立ち去るクロアの後ろ姿を 交互に見詰め、 「………」 重い溜め息を一つ溢すと 自身もその場を立ち去った。  
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