†悲†

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  その姿に クロアの動きが止まる。 「クロア…」 零れる声に息を呑んだ。 降り頻る雨がロアの体を 銀月の髪を、 白磁の頬を、 濡らし、 マタジリ 眦を伝い落ちる雨が まるで 泣いている涙のように 泣けないロアの頬を流れ落ち、 泣き縋る 幼子のような泣き顔を 浮かべているロア。 そのまま上がる、 ロアの、 「助けて…」 ホントウ スガタ 救済の言葉。  
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