†始†

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  ――応えたい。―― 本当は…、 心の底からクロアの告白に 応えたいと叫ぶ想いが ロアの心には溢れている、 けれど、 「今の私ではッ!!………お前にッ………お前にただ甘えるだけの…私では駄目だッ!!」 溢れ出そうな想いを抑え付け、 『お前の為にも…私は強くならないとッ!!』 心に生まれる決意と共に、 「だからッ…お前に相応しく成るまで…待ってッ…待って欲しいッ!!」 必死に告げるロアの心。 クロアの顔を見ることが 出来ず、 神剣の上に置かれた クロアと自分の手を見降ろし、 言葉に出せない 本当の想いを伝えるように クロアの手を強く握り締め、 必死に応えようとするロア。 「必ず、お前に相応しく成るからッ…必ずッ!!」 泣き叫ぶ声で クロアに想いを伝えるロア。 クロアは、そんなロアの体を 堪らずに抱き締める。 ロアの応えを受け入れる クロアの無言の 強く激しい温もり。 たった一つの   コイビト その世界の中で 「お前に相応しくなったら…その時、お前の…クロアの妻にして下さい…」     -アイ- クロアの告白に応えるための -アイ- 告白をロアは口にした。  
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