†始†

19/43

223人が本棚に入れています
本棚に追加
/519ページ
  そうして考える、 自分がそれを実行した 根本の原因。 母を狂わせ、弟を護りたかった †―――――† 何故、 自分が父と同じそれを 背負っているのか。 それが どこからどの様な経緯で 自分に与えられたのか。 事の起こりの経緯を考え、 幾つかの結論に辿り着くロア。 『私はセフィロトの苗木の定めを持っていて…』 ロア自身の存在理由。 『今はまだ、記憶が完全に戻った状態ではなく…』 今現在の自分自身の状況。 『思い出せない記憶は…セキルを護るべきモノと関連している。』 思い出すべき記憶と ロアが成るべきモノの正体。 “――――” “―――――”を背負うもの。 「ッ…………焦るなッ…」 何故だか空白の影としてしか 頭に浮かばない言葉。 無理矢理に思い出そうとすると 混乱し始める思考。 冷静になる為に 考察する思考を止めようと 他の物事を思い出そうとした時、 ―『兄上…愛しています…』― 生命の間での セキルの囁きが入り込み、 「ッ………………」 その一言が鍵のように、 「そうだ…私は…」 ロアは、 「セキルの想いで記憶を喪ったんだ…」 自身が記憶を喪った切っ掛けと セキルもまた、ロアと同じ 大罪を犯す 狂いの宿命を負っている事を 思い出した。  
/519ページ

最初のコメントを投稿しよう!

223人が本棚に入れています
本棚に追加