†始†

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  「私の記憶が戻るまで、セキルの事をお願いします」 自分がセキルの事を ディフェルに頼める立場なのか 迷う気持ちもあったが、 セキルの想いと苦しみ、 その原因の一部が 自分であると気付いたからには 兄としてセキルに影響を与えず、 支える事が出来る方法を模索し 考えた末のロアの答え。 自分の記憶が戻るまで、 弟をディフェルに託す願いを 伝えるロア。 「記憶が戻れば、何とかなるのか?」 二人の関係の原因を 察しているディフェルの言葉。 「何とかします」 原因が分からないままでも 断言するロアの意志。 「何であろうとも、どの様な方法でも弟を護るのが私の願いです」 クロアと共になる事が望みなら 弟のセキルを護る事が願いだと クロアとセキルに対する想いを 明白にし受け入れたロアの心。 その心をディフェルは 「弟を護ると云う気持ちは俺も同じだ」 ディフェルにとっては セキルだけでなく、 もう一人の笑顔の消えた 弟であるロアの頭を 乱雑に撫で承諾の意を伝えた。  
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