†始†

24/43

223人が本棚に入れています
本棚に追加
/519ページ
  一人ですべき事を考え、 一人でやるべき事を行いたいと 決めたロアの決意を優先させ、 今日だけは、 ロアを一人にしていたクロア。 「聖主様に誓約して、結界の解術もお願い出来た」 日に数回、 ロアの様子を伺いに来る聖主。 今朝はまだ、棟からは出られず 自分から聖主に会いには 行けなかった為に、 聖主がロアを訪ねて来た時に 一人で対面する覚悟をし 廊下での鉢合わせの対面を なんとか乗り切り、 隔離結界の解術も ロアは自分から願う事が出来た。 「後は…大兄君にお願いして…神殿の公務を手伝わせて貰いたい…」 少しだけ震える声で 今の自分に出来る最後の決断を 俯いてクロアに告げるロア。 “神殿の公務” それはロアが “聖司官”である記憶を 思い出す切っ掛けとなるモノ。 クロアの恋人だけである為に 頑なに拒絶していた 自分の地位を受け入れる 決断の言葉。 自分の意志で 聖殿に留まる決断をし、 自分の意志と考えで、 記憶を取り戻し、現状を変える 行動を始めたロアの姿。  
/519ページ

最初のコメントを投稿しよう!

223人が本棚に入れています
本棚に追加