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一方的に強制されている
大罪の様な関係。
「ッッ!!」
まだ仮定ではあるが
夢の中の二人の関係に
辿り着いた途端に
今の自分とセキルとの関係が
思い起こされ、
ロアは息を詰める。
「落ち着け…」
無意識に左胸を抑え呟き、
目を閉じると、
意識を夢の記憶へと
集中させるロア。
そして、
「確かに此方を視た」
夢の中でロアを
しっかりと見詰めた
紫水晶の瞳。
意図的に向けられた、
密やかに冷たく甘い
妖しい微笑。
その目覚める直前の光景を
思い出し、
それが意図する事柄を
ロアは推考すると、
「………あれは……予告だ…」
ぽつりと不穏な響きの声で
ロアは答えを呟いた。
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