†始†

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  「我は何も知らん」 平素の口調で応えるミレア。 セキルはそんなミレアに どこかロアに似た面差しの 狡猾な笑みを浮かべ、 「では…私に衝けている護衛は何ですか?」 ロアが記憶を喪った翌日から セキルの周囲に潜む、 セキルの側近ではない、 ミレアの護衛について問い質す。 だが、 「それは…」 ミレアが セキルに衝けている護衛。 その事を答えようとした時、 「緊急事態ですッ!!」 「「!!」」 熾天使長執務室の扉が 乱雑に開かれ、 「第3階層、学殿院が第2階層の反乱組織により占拠されましたッ!!」 「ッ!!」 「なッ!!」 最悪の事態を告げる報せに 瞠目するセキルとミレアへ、 「延いては、現聖主様直子、セキル様は早急に聖域へと退避、願いますッ!!」 「!!」 聖域に居る間は ミレアの屋敷に置き留めていた セキルの側近を引き連れ現れた 軍部筆頭、智天長の使いは、 セキルの前へ跪き、 避難の要請を重々しく告げた。  
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