†終†

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  ―――聖殿。 事件発生直後から、 事の詳細を何も教えられず、 ロアは聖主に自室から出る事を 禁止され、 フィリルと二人だけで 室内に留められていた。 午前中は何事もなく、 レティスから任されている 聖司官の公務を終らせ、 空いた時間で自分の棟内を廻り 夢に関わりそうな記録や 自分の記憶に関わる事を 探して過ごしていたロア。 午前と午後の間までは 普段通りの日常だったが、 昼過ぎに突然、フィリルが 神殿から慌てて帰って来ると、 暫くの間、 真剣にクロアと二人で 何かを話し、 その直後に、ロアは 二人によって自室へと戻され、 聖主からの外室を禁止する命を 伝えられた。 ロアがどれだけ問い糾しても、 フィリルだけでなく クロアまでもが、 何も教えてくれない状況。 少し前に クロアだけが聖務室に呼ばれ、 情報が遮断されている現状では 自分の措かれた状況だけで ロアは事態を推考するしかなく、 『………おそらく…神殿が関わる……聖主様の命が下る何かが起きた…』 フィリルが 神殿から帰ってきた時の様子と 自分に下された聖主の命から 神殿が関わる只ならない事態が 起きている事を推測する。 『なら…多分…中央も動く……?いや…動いている?』 自室に戻される直前に 見聞きしただけの 数少ない情報を集め、 何一つ伝わって来ない、 外の動きを推考するロア。  
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