†終†

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  いつか終わる時が来ると、 覚悟はしていた。 昼過ぎに、 神殿から帰ってきたフィリルに 神殿管理の施設、学殿院が 反乱組織により占拠されたと 知らされたクロア。 併せて、 聖主からの ロアにはまだ、何も教えず、 私室から出すなと云う命と ロアへの命も フィリルから伝えられ、 理由もなく部屋に戻される事を 訝しむロアへ 聖主からの命を伝えた後、 状況から何かを察したロアの 問い詰めをかわしている最中に セキルの側近から、 反乱組織からの 要求があった事の知らせを受け、 クロアは聖務室へと赴いていた。 「失礼します」 聖務室への入室許可を待ち 室内に入ると、 部屋の主である聖主は勿論、 熾天使長ディフェル、 聖司官代理レティス、 元老院長、最老ミレア、 そして、 現聖主第2子、セキルの ロアを除く皆が揃う室内。 それぞれが各々に 険しい面持ちでいる 緊迫した室内の空気。 それだけで 反乱組織から要求と云うモノが 最悪なモノであると クロアは察する。 「状況はフィリルから聞き、知っているな」 「はい、第3階層、学殿院が第2階層の反乱組織により占拠され、生徒、教官を合わせ約50名が大講堂内にて捕らえられ、現在、立て籠っていると伺いました」 聖主の確認にクロアは フィリルから聞いた 事件の詳細を述べながら応える。  
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