†終†

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  最低でも一度はロアを 交渉か対応の場に 出さなくてはならない状況。 そうでなくては、 万が一の場合、 次期聖主が一般の天族を 見棄てたとして、 最悪、聖界内で同族による 内乱が起こる危険も孕んでいた。 しかし、 だからと言って、 今のロアを対応の場に出す事も 交渉させる事も出来ない 行き詰まりの現状。 「クロア」 「はい」 硬い沈黙を破り、 聖主はクロアの名を呼ぶと、 「ロアをお前の主に戻せ」 始めと何ら変わらない口調で 二人の関係を本来の形に戻し ロアの性情を 記憶を喪う前に戻す事を クロアに指示した。 二人の関係が本来の姿に戻る、 最後の決断の時。 そして、 最後に残された強制的な方法で 二人の関係を含め、 ロアを主に戻す決断をした クロア。 ロアの私室に向かい、 決意の意志を決め、 「“ロア様”」 約2ヶ月振りに口にする 主を呼ぶ言葉。 側近に戻ったクロアに、 愕然と傷付いた表情を浮かべる ロアの姿があった。 それでも、 「…あ……ぁッ…クロ…ア…?」 クロアをまだ、 恋人として求めるロアの心に 揺らぎそうになる決意。  
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