†終†

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  魔界と接する為、 時折、瘴気が流れ込み、 聖界に生きる者達が 住まう事の出来ない最下層、 禁域“境界区” その真上の階層と成るために 最下層からの瘴気の影響を受け、 常に微かな瘴気を含む 淀んだ大気が満ち、 雑然と建ち並ぶ 荒廃した様な建物群に 複雑に走る   スサ 荒れ荒んだ路地の町並み。 聖主や聖界の三柱である 各組織に反抗する者達や 堕天を望む者が 力の弱い下級の天族達に紛れ 隠れ住む、 第2階層“スラム区” 時折、諍いの声が響き、 至る所で粗野な風貌の者達が 見受けられる、 聖界の中で最も治安の悪い、 危険で荒れた場。 そんな荒くれた光景の中、 古びた建物同士の間に走る 細い路地に 建物の壁に背を預け立つ 二人の青年。 一人は、 軽い癖毛のライトブラウン髪に 蒼玉の瞳の青年―フィリル― そして、もう一人は、 ダークブラウンの髪に 緑柱石の瞳、 細い銀フレームの眼鏡を掛けた 長身の青年―クロア― 変装の為に 髪と瞳の色彩を変え、 スラム区では一般的な 質素な服装を、 軽く着崩した格好の、 二人の姿があった。  
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