†終†

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  何者も容易く近付けない 鋭く凛とした主の背中。 それを見詰め、 『あぁ…うん……やっぱり、こっちのロア様だよなぁ』 胸に過る一抹の寂しさを 遣り過ごし、 納得するフィリル。 この2ヶ月の間に 過去の姿を知り、 変わり行く葛藤の過程に触れ、 クロアはとっくに 理解して居たのであろう 主の寂しさと それを全く面に出さない 強さの一面に、 改めて、 気付かされたフィリルは これまで以上に 仕え護りたいと強く想った。 そうして、 クロアとフィリルを従え 真っ直ぐに聖務室へと ロアは向かうと、 「入ります」 辿り着いた聖務室の扉を 軽くノックし、 了承を求めるのではなく、 一方的な意志のみを 告げる言葉で、 部屋の主の返答を待たずに 入室する。 そのまま、 クロアの行動がもたらす ロアの変化の結果を案じ、 緊張していた室内を 無言のまま軽く見渡し、 聖主は勿論、 その場に揃うミレア、 ディフェル、レティス、 そして、 セキルの姿を確認するロア。  
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