†月恋斯夜†

†終†

　
―――中央組織、対策本部

ロア指導の元、

占拠現場である学殿院周辺に

中央、神殿の突入部隊を配備し、

交渉後の最終確認で

各官達が動き廻る忙しい現場。

「智天と神軍の編成部隊の状況は？」

「配備完了しました」

神殿側から用意された

学殿院内の見取り図と

周辺地域の地図を広げ見て

配備の確認をするディフェルに

応えるセティアの声。

「万が一の時の対応はどうしている？」

「学殿院内に捕らえられている生徒、教官等の安全を最優先にする様、指揮してあります」

ロア達が要求に応じた後、

起こり得る幾つもの事態を

想定し、確認するレティスに

応えるセティア。

「後は……次期達の動き次第か…」

幾つかの細かい確認を終え、

現場で出来る限りの

対応をしてしまうと、

最後に呟くディフェルの言葉。

犯行組織からの要求に応じる為、

現在は第２階層に向かっている

ロア達。

後は

その動きの報告を待つだけと

なっている現場。

想定し得る限りの事態と

対応を考え動いているが、

それでも

緊迫した緊張が満ちる本部内。

中々、直ぐには入ってこない

その報告を

緊張した面持ちで待ちながら、

ディフェルとレティスは、

第３階層である占拠現場でなく、

よりにもよって

第２階層の組織の隠れ家へと

赴く事にしたロアの事を

どちらともなく考えていた。