†終†

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  「お前、一月近く前にはまだ…」 「一月近く前に神殿へ、神殿管理施設での不審者目撃の報告書がありました」 記憶の無かった頃には既に 警告を出していたとも言える、 ロアの発言に、 呆れるしかない様子で 問い掛けるディフェルに 事の発端を説明し始めるロア。 「報告書の内容はどれも些細なモノですが、一月近くの間に急激に増えていた目撃情報に、何らかの目的がある者達の犯行ではないかと考えていました」 それは本当に偶然の重なり。 ロアの記憶がまだ、戻らない頃、 クロアがロアに提案した 神殿の手伝い。 その中にあった 幾つかの神殿管理施設での 不審者目撃情報の報告書。 一つ一つは本当にたわいの無い 些細なモノであったが、 当時、記憶の無い状態ながらも ロアの直感が告げた不審。 「杞憂であればそれで良し、ですが、万が一を考えれば用心に越した事はありません。ですから…」 「智天へ警備態勢強化の申請をした」 「そうです」 ロアからの書類を受け、 智天に届けるようフィリルに 指示していたレティスが ロアの言葉を拾い、 その後の書類の過程を呟くと 同意するロア。 「その後、フィリルから私の書類が智天に届けられた事を知ったクロアは、次いで第2階層にある各反乱組織等の動向調査も依頼していました」 更にその後、 ロアの書類が 智天に届けられた事を知った クロアが 本来ならば、 記憶のあるロアが出すであろう 指示を予測しとっていた行動。  
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