†終†

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  「次期」 「何ですか?」 「セキルは初陣だ」 それでも、 ロアとセキルのたった二人で 反乱組織の隠れ家へ向かう事を 納得しきれないディフェルが 確認の言葉で問い詰めると 「知っています」 初陣同然となるセキルを 側近の護衛のみと云う 危険な状況に 敢えて連れて行くと答える。 それはつまり、 『連れて行く必要があると云う事か…』 暗黙として、 セキルの同行を含む 第2階層の隠れ家まで赴く 必要性を告げるロアに、 ディフェルは、 これ以上、問いても 答えはないと悟り 追及を諦めた。 そして、 ディフェルの行動と前後して レティスは交渉終了後、 第2階層へ向かう準備をする為 別室に控えたロアの元を 訪れると、 「一人かな?」 「クロアは私の仕度を取り行きましたので…」 着替えの為に 中央に用意された別室で クロアを一人で待っているロア。 その 記憶を喪う以前通りの様子に 何故か微かな苦笑を 浮かべてしまうレティス。 「次期」 「はい」 今はもう、次期と呼んでも 平然と応えるロアだったが、 「お前はまだ、思い出せていない事があるね」 穏やかなレティスの問い掛け。  
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