†終†

34/42

223人が本棚に入れています
本棚に追加
/519ページ
  「行くぞ」 その場での用件が終れば、 直ぐに歩き出そうとするロアに 然り気無く差し出される セキルの片手。 「何だ?」 「ここは治安が悪いですから」 差し出された手の意味を   アグ 考え倦ねるロアに告げる セキルの言葉。 聖域と各組織のある 第6階層しか知らないロアを 純粋に護ろうとしている セキルの行動に、 「私は子供ではないぞ」 ロアは、 呆れた一言を口にしながも セキルの手を取る。 そうして、 中央管理局から 第2階層の中心地に向け 真っ直ぐに延びている 大通りに出る二人。 荒んだ雰囲気ながらも 幾つかの露店が建ち並ぶ 第2階層では一番安全な道を 歩きながら、 「一つ、聞いても良いですか?」 冷静な口調で ロアに問い掛けるセキル。 「言ってみろ」 突き放している様にも聞こえる 淡々としたロアの応じ。 「全ては“名も無き者”の仕業ですか?」 声量を抑え、 事件の黒幕を確認する セキルの問い。  
/519ページ

最初のコメントを投稿しよう!

223人が本棚に入れています
本棚に追加