†終†

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  そして、 ロアの命に従い、 対策本部に着いて直ぐ、 智天へ犯行組織の要求に対する ロアの回答が記された書状を クロアが届け、 対策本部内でのロアの指導を 他の官吏達に伝え、 指示する役目を 一時的にクロアは与えられた。 その状況で、 ディフェルが交渉の表に立ち 目的通りに第2階層の 犯行組織の隠れ家まで赴く事が 決まった後、 第2階層へ向かう為の ロアの変装を手伝ったクロア。 中央組織内に用意された別室で ロアと二人きりの静かな室内。 染石と云う 髪や瞳の色を変える法石で 銀月から全く違う色へと 色を染めたロアの髪を クロアが整えていると、 「クロア…」 不意にロアは クロアに呼び掛ける。 「はい」 ロアの髪を梳く手を止めずに 応じるクロア。 だが、 ロアは 直ぐには呼び掛けの目的を 口にしようとせず、 クロアも無言で言葉を待ち、 僅かに流れる静寂の沈黙。 そして、 「全て…片付いたら…」 漸く切り出されたロアの言葉は 「お前に伝えたい事がある…」 クロアの主に戻っても、 右手の指輪を 外そうとはしなかったロア。  
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