†決†

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  「どうする?」 本来ならば、 予定にない者の訪問は 適当に相手をし、 簡単に追い払う事もするのだが、 「中央局からの報せの後に来る奴等は、二人組なら全員入れろ、と言われてるぞ」 男達の目的の相手が、 第2階層に入り、 此方に向かっていると言う 情報を受けている為に、 無下に追い払う事もできず、 「入れ」 男達はその予定外の二人組を 仕方無しに招き入れた。 予定では男二人組で来る筈の 目的の相手。 故に 男女の二人組では 予定の相手と明らかに違うが、 それでも、 万が一を考え、 扉が開き訪問者が入るまで 各々が武器となる剣を手に 腰を上げ警戒していると、 先に淡い蒼銀の髪に黄玉の瞳の 柔らかな印象の青年が姿を見せ 「おいで…」 「…ぅん」 青年の呼び掛けに、 淡いピンクシルバーの長い髪に ローズクォーツの瞳の 可憐な印象の少女の様な女性が 姿を見せ 店内に脚を踏み入れてきた。 面差しのよく似た兄妹。 身なりは質素であるが、 第2階層で見掛けるには 不似合いな二人。 兄妹で堕天をする為に 協力して欲しいと言う話しに、 「今は無理だ」 「そんな……此処に来るにも必死だったんです」 男の断りに、兄らしい青年が 必死の様子で食い下がる。  
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