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「燈を…」
「はい」
澄んだ声の指示で
互いの顔を確認する明かりが
室内に灯されると、
白磁の肌に
癖一つ無い漆黒の長い髪。
「おや……これは、これは…」
嘲笑を含む優美な声。
冷麗とした秀麗な美貌の細面に
血よりも紅い石榴石の瞳。
頭目らしき青年の姿が
暗がりに浮かび上がり…、
「ようこそ、おいで下さいました…現聖主が御子息様方」
ロア達の正体を言い当て、
片手を胸元に運び深く腰を折る
優雅な礼を取る相手に
「ッ!!……お前は…ッ」
夢の中の相手と瓜二つの容貌に
驚き息を詰めるロア。
「上級…魔族…」
相手の正体を明かす
セキルの声が上がった。
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