†決†

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  『クロアは……ッ!!』 「………………………」 魔族が姿を顕してから 無言のクロアを見やり フィリルは 内心で冷たい汗を掻く。 完全な無表情で冷たく 魔族を見据えているクロア。 初めて目にする 静かすぎるクロアの激昂。 そんなクロアの様子に 構う事なく、 「これより先へは行けません」 淡い微笑で 魔族が足止めを告げると、 「フィリル殿、隔離結界をッ!!」 「えッ!?うわッ!!」 魔族の行動を察した クロアの叫びと、 咄嗟に言われるまま隠れ家ごと 場を隔離する結界を 張り巡らせるフィリル。 ほぼ同時に 魔族の纏う黒炎の瘴気が 濃霧のように結界内に広がり、 「……ッ…クロアッ!?」 瘴気の霧が晴れると、 クロアと魔族、 そして…、 「廊下が……消えたッ!!」 ロア達の居るであろう 部屋へと続く廊下とその先が フィリル達の前から消えていた。 ――――― 瘴気の霧を隠れ蓑に、 「邪魔な方々が消えましたところで…改めて、初めまして」 クロアと二人切りとなった 魔族の隔離空間で、 「私、魔王様が配下、次席上級6位ネビアスと申す者」 階級と名乗りを 優雅に上げる魔族。  
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