†決†

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  そのまま、 「我が主の命により…御相手を…」 敢えて、 二人切りとなった理由を告げ、 ネビアスは緩やかに 漆黒の魔剣を具現させる。 聖界に於いて、 現在、唯一の神剣の持ち主 クロアを足止めする為に ロア達の居る場から 去っていたネビアス。 ネビアスから目を離さぬまま、 自分が置かれた状況を 冷静に理解し、    ーナイトー 「第1knight階級、次期聖主様側近…」 神剣を構え直し、 名を名乗らずに 朗と己の階級と地位のみを 告げるクロア。 外の世界で消えた ロア達の居る部屋へ続く廊下は ネビアスの隔離空間の中。 ネビアスを倒すか、 空間を構築する術を 解かなくては、 ロア達の元へ辿り着く事も 救出する事も出来ない状況。 魔王配下次席上級6位、 魔族ネビアスと 第1knight階級、次期聖主側近 天族クロア。 静寂の満ちる空間で 静かに対峙する二人。 「では……いざ…」 嘲笑を刷いた微笑のネビアスが 沈黙を破り、開始の合図を上げ 「参る」 騎士として応じるクロアの声。 無音であった空間に響く衝撃。 時の流れすら不明の空間で 鋭い白刃の閃光が走り、 漆黒と夜色の決戦の幕が 切って落とされた。  
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