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「何か分かりました?」
ロア達の居場所の行方を
少しでも掴む為に、
手掛かりを探していたガイルに
一塁の望みを賭け、
フィリルは結果を訪ねる。
しかし、
「魔獣の亜種とされた男達は魔性の種子らしきモノを植え付けられていた事と、消えた場が魔族の造り出した空間に持って行かれた事しか解りませんでした…」
ガイルから返ってきた応えは
粗方の予想が付いていた
手掛かりとは云えないモノ。
「只、消えた場が魔族の空間からどの様な方法であれ、解放された場合は、この場に戻って来るのは確かです」
本来、在るべき場と
消えた先の場を繋ぐ、
存在維持の片鱗だけは見付け
消えた場の帰還先が、
今居る元の場である確認だけは
出来たガイル。
そうなってしまえば、
現時点では現状を維持したまま
魔族と共に消えたクロアに
全てを任せるしかない
フィリル達。
上級…、
しかも、
この場では
フィリルしか分からない
事実だったが、
魔王と瓜二つの姿をした魔族。
「どちらにせよ…、中央からの応援は呼べません」
フ
二人の間に一瞬、降りおりた
堅い沈黙を破り、
ガイルが深刻に呟く。
例え、
どの様な状況であっても、
相手が上級魔族である限り
中央組織の軍は
簡単に動かせなかった現実を
示すガイルの言葉。
「あーと…そう言えば、第3の占拠現場は一応、片付いたらしいですよね」
待つしかない状況で
ともすれば、
予測してしまう最悪に
急かされそうになる気持ちを
なんとか紛らわせる為に
フィリルが切り出す会話。
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