223人が本棚に入れています
本棚に追加
/519ページ
「心から感服いたしますよ」
“犬”と表されても
何一つ情動を見せようとしない
クロアに、
「それほどの欲を持ちながら、忠誠を護り、従い耐えている貴方の事…」
クロアの内に潜む
情愛ゆえの独占欲を見抜き
嘲りの称賛を向けるネビアス。
その間にも激しく打ち合い散る
クロアとネビアスの攻防。
「美しい人形は人形のままが良いと思いませんか？」
時折、生じる拮抗の合間に、
【セフィロトの苗木】
いつか、聖界の為に
利用される道具の定めを持つ
ロアを人形と表して、
「さすれば、貴方だけのモノとして独占する事も叶いましょう？」
クロアの欲望を明かし、
誘惑の問いを囁く。
その瞬間――、
クロアから拮抗を崩す
振り切りの払いに
互いの跳躍での後退。
ほぼ同時に
ネビアスを襲う真空の刃。
「!?ーッ!!」
これまでとは違う
何の気配も無く、
突如、ネビアスを襲った
クロアの疾風の攻撃。
「くッ!!」
それを寸前で魔剣の波動と
魔力の障壁を使い、
ネビアスは、
クロアの力の攻撃を
なんとか防ぎ切る。
クロアの主。
最愛でもあるロア。
最初のコメントを投稿しよう！