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[無償では無いよ?]
「構わん」
念を押すリデアに
即答するロア。
代償となるモノが
自らの内で済むのであれば
迷う事のないロアの応じに
どこか哀惜の宿る微苦笑を
浮かべるリデア。
[それじゃあ、方法はね…、]
そのまま何かを追及する事も
問い詰める事も無く、
[私と君の持つ力。【セフィロト】の力を使う事]
「なッ!!」
リデアの説明にロアは瞠目する。
魂の始まりである
リデアにとっては、
【セフィロト】
リデアの転生体である
ロアにとっては、
【セフィロトの苗木】
一つの世界を滅ぼす事も
造り変える事も
新たに産み出す事さえも出来る
万能であり、
使い方、一つで滅びとなる力。
肉体にある時は
常に封印されている
それを利用すると言われ、
「それは…ッ」
[兄君の暗示が解けないのなら、暗示の存在を無に変えれば良い]
流石に逡巡の動揺を見せる
ロアを遮り、
[力を使う為に必要な意思も、此処なら二つある]
リデアは
ロアと自分自身を指し示し、
緩やかに微笑む。
本来、
セフィロトの力を使う時には
利用者を定め、
力の根源、
道具となる為に
力の持ち主からは失われる
意志や自我や意識。
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