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「聞こえていますよね?父上」
ロアのとんでもない説明に
言葉を無くしている
セキルをそのままにロアは
水晶のペンダントと血を媒介に
聖域に居る聖主へ語り掛ける。
「事の起こりを知っていた者として、責任を取って下さるでしょう?」
今回の事の起こり。
リデアの復活を含む
魔王の目論見。
それを知りながら
静観するしかなかった聖主。
―――聖域。
聖務室でセキルの側近から
上級魔族の出現を含む
ロア、セキルの状況報告を
受けた聖主は、
血の共鳴と水晶のペンダントを
媒介に使ったロアの声に、
「………………………」
無言のまま耳を傾け、
[力の調整をして下さいね?]
聖主が調整しなければ、
心の臓に負担が掛かると
伝えるロア。
喩え、聖主の協力が無くとも
止めるつもりの無いロアは、
何一つ、返事の返らぬ
聖主に構わず、
第2階層で魔族、ネビアスに
囚われた空間の中、
セキルの結界の中で、
己の体に流れる血と
その血に与えられた盟約、
血の共鳴に意識を集中し、
虚空を見詰める。
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