†決†

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  ロアの光の誕生の地を求め示す 伸ばされた人差し指の先から 伝い落ちる鮮血。 その雫が床に落ち込む寸前、     †光―あれ† 誕生の言霊。 瞬間――、 ―「こうして、光があった。」― 水面を叩く水滴と 落ち広がる波紋の様に 黄金の光が広がり――。 ――――― 無音の空間で弾き合う クロアの神剣とネビアスの魔剣。 「そろそろ……焦り始めましたね」 上がる息でのネビアスの嘲笑。 互いに無傷ではあるが 体力の消耗は激しい闘い。 決着が着くとすれば、 それは、相撃ち。 クロアとネビアス。 互いに最後の隙を狙い、 睨み合う。 「もう……間に合わないかも…知れませんよ?」 ロアに残された時間を示し 挑発するネビアスに、 「黙れ…」 クロアが吐き捨て、 鋭く斬り込み、 ネビアスがクロアの剣を 受け止めようとした、 その時― 無音の空間を呑み込む 突然の光。 「ッ!!」 「なッ!?」 息を呑むクロアと 驚愕のネビアス。 ロアの召喚した聖主の力は、 上級魔族ネビアスの造り出した 空間ごと、 全ての闇を呑み込んだ。  
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