†水†

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  ―――第2階層。 反乱組織の隠れ家を覆う フィリルの結界の中に 突如、発生し、満ちた黄金の光。 「なっ!?」 「これは…、」 突然の現象に驚くフィリルと ガイルの目の前で、 隠れ家を呑み込み、 魔族の瘴気もろとも、 フィリルの幻影の隔離結界を 内側から無効化した 光が消失すると ネビアスの空間に呑み込まれた 建物の一部が顕れ、 元の姿に戻った隠れ家があった。 「戻って…きた……」 「ッ!!セキル様ッ!!」 茫然としたフィリルの呟きと 駆け出すガイル。 自らの主の元に駆け付けるべく 慌てて、元に戻った隠れ家の 先ずは店屋の部分に ガイルとフィリルが飛び込むと 「クロア殿!?」 「クロアッ!!」 神剣を片手に 店内に愕然と佇むクロアの姿。 「何が…、」 クロア自身も 一瞬、何が起きたのか判らず、 ネビアスの造り出した 空間が消え、 当のネビアスの姿が無い事と クロアの無事に安堵し 出入口付近に立ち尽くす フィリルとガイルを 困惑の表情で見詰めた。 だが、 「フィリル殿!クロア殿!」 ガイルのフィリルとクロアを 鋭く呼ぶ声。 「男達の姿が…」 店内にあった 半獣の男達の亡骸を示す ガイルの呟きに 「…天族に……戻ってる…?」 異変に気付いたフィリルの指摘。  
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