†水†

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  魔獣の亜種とされた 男達の亡骸が 天族の姿に戻ってる事に気付き 更に驚き言葉を無くしてしまう フィリルとガイル。 しかし、 神剣で命を絶つ事でしか救えず 例え、神剣で命を絶っても 亡骸は半獣のままであった男達。 その姿が元に戻っている様相に クロアは、 「ッ!!……ロアッッ!!」 直ぐ様、全ての現象が可能な 原因に思い至り、 最悪を過らせ、蒼褪め駆け出す。 ネビアスの姿と空間を消し、 亜種の魔獣にされていた男達を 元に戻せる可能性を持つ者。 クロアの主であり最愛の…、 「ロアッ!!」 主として呼ぶ事も忘れ、 消えていた筈の廊下を駆け抜け、 その先にある扉を開き、 クロアが室内に飛び込むと、 そこには、 幾つもの男達の亡骸がある 暗く殺伐とした窓の無い室内で、 薄暗い燈に照され仄かに輝く 僅かに血で汚れた銀月の髪。 「ッ!!」 共に床に座り込む セキルの腕の中に支えられ 止血されても止まらぬ出血を 左肩に抱えたまま、 ぐったりと眼を閉じ セキルの胸に凭れ掛かっている ロアの姿があった。 「ロアッ!!」 怪我を負い、 意識を失っているような ロアの姿を眼にすると、 堅く強張る表情で息を呑み、 急いでロアの元へと駆け寄り、 傍らに跪くクロア。  
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