†水†

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  クロアがロアの命により 寝室を退室し、 ロアと聖主の対話が終るのを 寝室の外、扉の前で 控え待っていると、 「………クロア、」 「セキル様…」 中央組織から 一度、戻ってきたらしい セキルが姿を見せる。 どちらも予想外な場での対面に 一瞬、驚き、 直ぐに冷静な面持ちを取り戻し 「兄上が目覚められたと聞いたが?」 「只今、聖主様とご面会中です」 用件を告げるセキルと ロアの側近として応じるクロア。 聖主から ロアの目覚めの報せを聞き、 急ぎ中央から戻ってきたと 告げるセキル。 「容態は?」 「おそらく今、聖主様が詳しく診察中と思います」 クロアの見た限りでは 怪我の後遺症も無く、 心の臓の方も 安定していたように見えた ロアの様子。 だが、 万が一を考え、 確実な結果が出るまでは 安易な独断は避ける クロアの応じ。 「では、目覚められた事は確かだな?」 「はい」 聖主の診断が下るまで、 明言を避けるクロアへ、 セキルは、 聖主からの報せもあった ロアの目覚めだけを確認する。  
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