†水†

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  あの時、 ディフェルの制止だけではなく セキルに剣を振り降ろす瞬間、 クロアの 一瞬の迷いがあったからこそ、 寸前で押し留められていた クロアの神剣。 「その為の神剣だ」 クロアの持つ神剣の意味を 最後に指摘し、 ロアに会うこと無く その場を立ち去ろうと セキルは踵を返す。 創世の神の直系となる 神族さえも殺める事の出来る 唯一の武具。 聖主と次期聖主の 側近だけが持つ事を許される 神なる剣。 それで、 ロアに取って害悪となるのなら、 ロアの実弟である自分さえも 迷わず斬れと言い残すセキルに クロアは、 「私の剣は主の剣」 ロアに心から仕え、 真心から愛し、 「我が主、ロア様の意に背く事はありません」 誠の忠誠から、 身体だけではなく、 心も護る剣で在りたいと 側近であり、 恋人として、 宣言するのだった。  
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