†祷†

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  ―「何を…言っているのか…分かりません…」― 兄の語る言葉の意味が分からず 嗚咽混じりに応じるセキルに、 ―「私も…本当はまだ、よく分からないんだけど、」― ―『愛が分からないから…』― と、苦笑を滲ませ、 兄は困った表情を浮かべる。 けれど、 傍らの青年を見上げ、 少し何かを考えると、 ―「兄弟って云う、永遠の愛の絆…かな?」― ―「永遠…?」― ―「うん、私とお前は永遠に二人きりの兄弟だから…」― 気付けば、いつの間にか 青年の姿に成長している セキルに、 ―「私は一生、お前が大好きだ」― 傍らの青年に対する 気持ちとは違う、 兄弟としての愛を 朗らかな笑顔で兄は告げた。  
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