†祷†

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  偽りの終りと 真実の絆を告げる夢の果てに、 セキルが目覚めると、 そこは、 「あ…れ…?……部…屋?」 見慣れた天蓋と寝台の中の光景。 広い空間に 深海の青に銀を散らした 壁紙を使い。 部屋の中央に措かれた 寝台横には、 卓上灯を乗せた サイドボードが置かれ、 他にも出入りの扉横の壁に 少し大きめの書棚とチェスト、 窓際には小卓と、 幾つかの家具が目につく、 深海の静寂を思わせる、 聖殿でのセキルの寝室。 何が起きたのか、 目覚めたばかりで混乱しながら 辺りを見回すと、 出入りの扉が見える片側の 天蓋幕だけが上げられており、 そちら側の寝台の上に広がる 銀月の髪。 椅子に座り、自分の腕を枕に 寝台の上にうつ伏せの状態で 「え………と………兄…上?」 肩に上掛けを羽織り、 熟睡している兄、ロアが居た。  
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