†祷†

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  セキルの持つ聖主の資格、 宿命を消す術を知った時、 ―「弟に…剣を向ける事など…出来る訳がないだろうッ!!」― 聖務室での話と出来事を クロアに説明し、 宿命を消す術を語ったロアの 悲痛な叫び。 失意と苦しみに満ちていた ロアの表情。 セキルに剣を向ける事が出来ず かと言って、 セキルの持つ聖主の資格、 宿命の狂いを そのままにも出来ず、 宿命を消す別の方法を ロアは必死に探し続けていた。 しかし、 聖殿、神殿、中央組織、 元老院、北の管理区。 果ては、各階層にある図書殿。 思い当たる限りの場の 文献、古書、歴史書等を当たり いくら方法を探し求めても 手掛かりすら見付からず、 同じ頃、 ロアに剣を向けさせる為に セキルが自ら進んで、 宿命の狂いに心を委ねた。 ロアの為に 宿命に狂う事を選んだセキルと それでも簡単には下せない決断。 ―「他の…方法がある筈だ…ッ」― 胸に宿る不安や恐れを振り切り 選べない決断を拒絶する嘆き。 違う解決を諦め切れない日々。 日を追う毎に状況は悪化し 徐々に焦り、 追い詰められていたロア。 そんな状況の中で、 クロアに出来るのは 文献等の捜索の手伝いと、 追い詰められて行くロアの 傍に居る事だけ。  
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