†祷†

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  「………………………」 「………………………」 あまりにあっけらかんとした セキルの姿に 無言となるロアとクロア。 そこに、 「あ、そうだッ!!兄上ーッ!!」 セキルは、 聖本殿から駆け出し、 少し離れた場所で立ち止まり、 「私、天族の幼馴染みと…、   “婚・約”しまーすッ!!」 「「ッ!?」」 大声で、 更なる追撃を仕掛けた。 何の前触れもなかった、 セキルの婚約発言に 「ッ!!待てッ!!いつの間に…ッ!!そんな話は聞いてないぞッ!!」 我に返り混乱した状態で 咄嗟に叫ぶロア。 しかし、 もう既に、 セキルの姿は彼方へとあり、 ロアへ口付けてから、 敢えて、婚約の宣言をする セキルのタイミングに クロアは、 『伏兵はセキル様か…』 ロアの周囲を取り巻く 一筋縄では行かない環境に 一人、こっそりと頭を抱えた。  
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