†祷†

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  ―――神殿、聖司官執務室。 占拠事件での一件から 漸く、落ち着きを取り戻し、 後はロアの復帰を待つだけの 通常の業務へと戻り始めた頃。 ロアの代理であるレティスは 神殿と同じく、 通常の業務へと戻り始めている 中央組織から ディフェルの訪問を受けていた。 ディフェルから セキルの帰省を聞き、 「そうか、セキルは今日、聖域を出るんだな」 安堵の表情を浮かべる レティスに 「あぁ、何があったか知らんが、すっかり元のヤンチャに戻っている」 レティスの座る聖司官の 執務机を挟み、 レティスの正面に立ったまま 腕を組み、 呆れた様子でセキルの事を語る ディフェル。 「まぁ、良いんじゃないのか」 只の従兄と云うよりも、 当時9歳だったセキルを ミレアが養子に迎え入れてから 共に暮らしている 義兄としての心境が 強いらしいディフェルの様子に 軽くレティスは苦笑する。 結局、 ディフェル、レティスの 預り知らぬ所で、 決着が着いたらしい ロアとセキルの問題。 二人の異変を探っていた 途中から、 ディフェル、レティスの手を 離れてしまった 現聖主の直子に関わる謎。  
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