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普段はロアを護る以外は
滅多な事では力を使わない
クロアの珍しい行動。
「今日の記念と云うか…まぁ、祈願成就の願いを込めて…、」
「祈願成就?」
水華球を造った理由を、
記念と云う意味に織り混ぜ、
願いを叶える云う意味合いを
主体にしたと云うクロアの説明。
「どんな願いだ?」
ロアは不思議そうに
クロアを見詰め、
願いの正体を問い掛ける。
「………………………」
「クロア?」
説明すべきか
僅かに逡巡するクロアに
ロアが更なる問いを重ねると、
「ウェディングブーケを渡す事には[幸せを分ける]との意味があってだな…、」
「あぁ、」
クロアの説明に素直に頷くロア。
そのまま、
クロアはロアの左耳に
手を伸ばし、
「贈られた側は幸せな結婚ができると言われている」
ロアの左耳にある
クロアの紋章が刻まれた、
婚約の誓いの証のイヤカフに
優しく指先で触れながら
甘く微笑み掛け、
「…………………………」
ロアはブーケの意味を知ると、
何故か無言となった。
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