†誓恋愛謳†

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  「そ…んな……話しは、初耳だ」 軽く俯き、 クロアの視界から表情を隠すと 左耳に触れるクロアの指先から 逃れるように顔を背け、 水華球はしっかりと 手にしたまま、 ロアはモソモソと 寝台に潜り込み、 クロアに背を向けて横たわる。 そんな、 珍しくクロアから逃亡を謀った ロアの背中に、 「…だから、俺とお前…、」 「皆まで言うなッ!!黙れ、馬鹿者ッ!!」 敢えて、 説明を続けようとするクロアに 背中を向けたまま叫ぶロア。 「とっとと見廻りに出て、帰って来いッ!!」 暗に 今夜は一緒に寝ろと 命じるロアの言葉に 愛おし気な微笑が クロアに浮かぶ。 「では、行って参ります」 側近の口調で ロアの命に従いながら、 恋人として、唇の代わりに 寝台に広がる銀月の髪に 軽く口付け、 寝室を退出するクロア。  
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