†誓恋愛謳†

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  クロアが見廻りから戻ると、 「…………………………」 そこには、 寝台の中で 既に眠っている ロアの姿があった。 とりあえず、 ロアを起こさぬように 慎重に寝台の上に登り、 隣に横たわる。 クロアと二人きりの 恋人同士である時には 随分と情動の変化が 露になるようになったロア。 特に羞恥の感情が強く出る 先程の恋人の反応を思い出し、 愛しさに満ちた眼差しを浮かべ、 そのまま暫く、 ロアの寝顔を見詰めていると 「…………クロ……ア……?」 ふーっと、 一瞬、寝惚けた様子でロアが 瞼を開け、 ぼんやりとクロアを見詰める 白月の瞳。 「悪い…起こしたか?」 そっと圧し殺した声で クロアがロアに問い掛けると、 ロアはクロアの方へと 身を擦り寄せ、 「そばに……、」 「ん?」 再び、眠りに堕ちる寸前の 「ずっと……居ろ……、」 夢の狭間の本心と 幸せに満ちた淡い微笑み。  
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