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「さすが、たぬきやね。」
なんて言いながら
口の中の甘味とは対象的に彼女の口から出てくるのはカライ、辛い言葉達
「浮気相手が妊娠したから捨てられた、って言っても今となってはどっちが浮気相手だったのかさえもわからないけどね。
まぁ、これでよかったのよ。」
お茶を啜りながら
彼女は最後にこう締めくくった
…なんてこったい
あんたは私の親友だろ?
そう抗議する私に
「何言ってるのよ。
アンタにはもっといい男が近くにいるのよ?
あの別れは悲劇なんかじゃない。
ハッピーエンドへの序章よ。」
ねぇ?と怪しい笑みを浮かべながら東野君に微笑む親友
彼はその親友の笑みをかわしながら、整いすぎたその顔を心配そうに歪めて私に向けた
「もう、大丈夫なのか?」
「うん、もうなんとも。今はのんびりお一人様を楽しんでる。」
そう言って微笑んでみせる私に
「甘いわね、私達に悠長な事言ってられる時間なんてないのよ。
と、言うことで東野君、
合コンのセッティングお願いね、この意味分かるわよね?私のサポート力はぜひ味方につけるべきよ?」
隣に座る彼女はこれだけ言うと
交代の時間だからと受付に戻っていった
残された私達
東野くんは少し気まずそうに
「えーっと、まぁ…なんだ。辛かったらいつでも言えよ。夜中でもほんといつでもいいから。」
と相変わらずの優しいセリフを残して外回りだから、と彼も食堂を後にした
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